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住宅ローン控除シミュレーションでいくら戻る?年収・借入額別の還付額と条件

三宅 沙織 / 更新:2026-06-20
住宅ローン控除シミュレーションでいくら戻る?年収・借入額別の還付額と条件
「住宅ローン控除って、結局うちはいくら戻るの?」――相談の場で一番多い質問です。結論から言うと、戻る額の目安は『年末のローン残高×0.7%』。これが最長13年続きます。

ただし、ここに所得税・住民税の上限や住宅の省エネ性能が絡んで、実際の還付額は人それぞれ変わります。

この記事では、年収・借入額・家族構成別の試算事例から、省エネ性能による限度額の差、所得制限、確定申告の手順、ふるさと納税などとの併用の注意点まで、私が相談現場で実際に説明している順番でまとめました。読み終わるころには、漠然とした不安が具体的な数字に変わっているはずです。

住宅ローン控除のシミュレーションでいくら戻る?まず結論から

【いくら節税できる?】新しい住宅ローン控除の「変更点」と「計算方法」を分かりやすく解説【不動産投資編】:(アニメ動画)第308回
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細かい計算に入る前に、土台となる仕組みを押さえます。ここがブレると、後の試算がすべて狂います。

シミュレーションとは何か(仕組みを一言で)

住宅ローン控除のシミュレーションとは、自分のローン残高や年収を入力して、毎年いくら税金が戻るかを試算することです。

住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)は、一定の要件を満たすローンについて、年末残高の一定割合を所得税・住民税から差し引く制度です。差し引いた分が、納めた税金から戻ってくる。これが「還付」の正体です。

年末残高×0.7%が最長13年戻る基本の計算式

控除率は0.7%。年末時点のローン残高に0.7%を掛けた額が、その年の控除額の目安です。

控除期間は住宅の種類で10年または13年に分かれます。新築の省エネ住宅なら13年、その他は短くなるイメージです。

ただし大事な注意点がひとつ。年間の控除額は『年末残高×0.7%』と『所得税・住民税の控除上限』の、小さい方になります。残高が大きくても、納めている税金が少なければそこで頭打ちです。

住宅ローン控除の基本(2026年時点)
項目内容
控除率0.7%
控除期間住宅の種類により10年または13年
年間控除額年末残高×0.7% と 税の控除上限 の小さい方

シミュレーションは無料でできる・始め方の手順

費用はかかりません。各社が公開している試算ツールはどれも無料です。

始め方はシンプルです。手元に用意するのは次の3つだけ。これがあれば数分で目安が出ます。

シミュレーション前に用意するもの
用意するものどこで分かるか
借入額・借入予定額金融機関の事前審査や見積もり
住宅の種類・省エネ性能ハウスメーカー・販売資料
年収または所得税額の目安源泉徴収票

住宅ローン控除の対象になる条件と2026年の最新ルール

いくら試算しても、そもそも条件を満たさなければゼロです。ここを先に確認してください。

住宅ローン控除の対象になる条件と2026年の最新ルール

控除を受けられる住宅・床面積・居住の条件

代表的な条件は、床面積50㎡以上・自己居住用・10年以上の分割返済です。

床面積は登記簿上の数字で見ます。販売チラシの『専有面積』とズレることがあるので要注意。私が相談を受けた中でも、50㎡ぎりぎりの物件で登記面積が49㎡台だったケースがありました。

2024年以降の省エネ基準適合の必須化と未適合時の影響

新築住宅では、省エネ基準への適合が事実上の前提になりました。性能を満たさない『その他の住宅』は、借入限度額が大きく下がります。

つまり、同じ予算でも省エネ性能の有無で戻る額が変わる。ここは住宅選びの段階で意識しておきたいところです。

控除を受けられないケース(親族間売買・床面積不足など)

対象外になる典型は次の通りです。後から気づいても取り返せないので、契約前に確認してください。

住宅ローン控除を受けられない主なケース
ケース理由
床面積が50㎡未満面積要件を満たさない
別荘・セカンドハウス自己居住用ではない
親族からの購入(生計を一にする等)親族間売買として対象外になり得る
返済期間10年未満分割返済期間の要件を満たさない

住宅の種類・省エネ性能別に試算する借入限度額と還付額の違い

還付額を左右する最大の要素が、この借入限度額です。性能で数百万円の差が出ます。

住宅の種類・省エネ性能別に試算する借入限度額と還付額の違い

ZEH・長期優良・認定低炭素など性能別の借入限度額比較

借入限度額は住宅の種類で段階的に決まっています。控除の対象になる残高の上限、と考えると分かりやすいです。

住宅の種類別 借入限度額の目安
住宅の種類借入限度額
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅4,500万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円
省エネ基準適合住宅3,000万円
その他の住宅2,000万円

子育て世帯・若者夫婦世帯には、この限度額に上乗せが設けられています。該当するなら必ず確認を。

例えば認定長期優良住宅(限度額4,500万円)で年末残高4,000万円なら、4,000万円×0.7%=28万円が控除額の目安。一方その他の住宅は限度額2,000万円なので、残高がそれを超えても2,000万円×0.7%=14万円で頭打ちです。年で14万円、性能だけで差が出ます。

新築・中古住宅での控除条件と還付額の差

中古住宅は新築より借入限度額や控除期間の扱いが異なり、還付額も抑えめになります。

正直に言うと、中古は条件が複雑です。築年数や省エネ性能で扱いが変わるため、検討中なら個別に試算するのが安全です。

リフォーム・増改築のシミュレーション

一定の増改築やリフォームも、住宅ローン控除の対象になる場合があります。

工事内容や金額の要件があるため、見積もりが固まった段階で対象かどうかを確認しておくと、申告でつまずきません。

年収・借入額・家族構成別の還付額シミュレーション事例

【完全シミュレーション】いくら節税できる?住宅ローン控除の仕組みと変更点について徹底解説します!
【完全シミュレーション】いくら節税できる?住宅ローン控除の仕組みと変更点について徹底解説します!

ここからが本題。実際の戻る額は、納めている税金の額で決まります。

所得制限(合計所得2,000万円以下)と高所得者への影響

住宅ローン控除には所得制限があります。合計所得金額が2,000万円を超える年は、その年の控除を受けられません。

高所得の方ほど『残高が大きいから満額戻る』と思い込みがちですが、ここで足元をすくわれます。所得が一時的に跳ねる年(賞与・株式売却など)は要注意です。

控除しきれない場合の住民税からの控除上限と仕組み

控除額が所得税を上回ったとき、引ききれない分は住民税から差し引かれます。ただし住民税側にも上限があります。

住民税からの控除上限は、課税総所得金額の5%または9万7,500円の小さい方です。残高が大きくても、ここで控除しきれず『戻りきらない』ことがあります。

これが見落としやすい落とし穴。『限度額いっぱい借りれば満額戻る』は誤解です。納税額が小さい人ほど、年末残高×0.7%まで戻らないケースが実際にあります。

ペアローン・連帯債務での夫婦それぞれの試算と持分配分

夫婦でペアローンを組むと、二人それぞれが住宅ローン控除を受けられます。

ポイントは、控除はそれぞれの納税額が上限になること。収入差が大きい夫婦が借入も持分も半々にすると、収入の低い側で控除しきれず取りこぼすことがあります。

私が相談で見るのは、持分や借入比率を収入の比率に寄せる方が、世帯トータルの還付が増えるケース。ただし産休・育休で収入が一時的に下がる時期も考慮が必要です。一度シミュレーションで両パターンを比べてみてください。

他制度との併用で損しないための最適化と注意点

住宅ローン控除は、ふるさと納税やiDeCoと同じ『税金を減らす』制度。組み合わせ方を間違えると効果が打ち消し合います。

他制度との併用で損しないための最適化と注意点

ふるさと納税・医療費控除・iDeCoとの併用時の注意

住宅ローン控除で所得税・住民税がすでに大きく減っている年は、ふるさと納税の実質負担2,000円の枠が想定より小さくなることがあります。

特に住民税の控除上限まで使い切っている人は、ふるさと納税の上限額を試算し直すのが安全です。医療費控除やiDeCoで所得控除が増えると、控除に使える税額そのものが減る点も頭に入れておきましょう。

繰り上げ返済が控除額に与える影響と損得判断

繰り上げ返済をすると年末残高が減り、その分『残高×0.7%』の控除額も減ります。

つまり控除期間中の繰り上げ返済は、返済利息の節約と控除の減少を天秤にかける話。低金利でローン金利が0.7%を下回るなら、控除期間中は急いで返さず手元資金を残す判断もあります。

私の立場を言えば、金利と控除率を比べて、控除期間が終わってから繰り上げ返済に回す人が多い印象です。ただし返済期間が10年未満になると控除が受けられなくなるので、返しすぎには注意してください。

住み替え・売却・控除終了後の取り扱い

控除期間中に売却・住み替えをすると、その住宅に住まなくなった時点で控除は終わります。

売却益が出る場合の特例とは併用できないケースもあるため、住み替えを考え始めたら、控除と売却特例のどちらが得かを早めに確認しておくと安心です。

住宅ローン控除を受けるための確定申告と手続き

控除は黙っていても戻りません。1年目は必ず確定申告が要ります。

住宅ローン控除を受けるための確定申告と手続き

1年目の確定申告の流れと必要書類

入居した翌年に、自分で確定申告をします。会社員でも1年目だけは年末調整では完結しません。

1年目の確定申告で主に必要な書類
書類入手先
確定申告書税務署・国税庁サイト
住宅ローンの年末残高証明書借入先の金融機関
登記事項証明書法務局
売買契約書・工事請負契約書の写し契約時の書類
源泉徴収票勤務先

省エネ住宅で控除を受けるなら、性能を証明する書類(住宅性能評価書など)も必要です。これは後から取りにくいので、引き渡し時に必ず受け取っておいてください。

2年目以降の年末調整での簡略化と書類の変化

2年目以降は、勤務先の年末調整で控除できます。確定申告は不要になります。

用意するのは、税務署から届く控除証明書と、金融機関の年末残高証明書だけ。1年目に比べて一気に楽になります。

申告を忘れた・間違えた場合の還付申告(5年遡及)と修正

1年目の申告をうっかり忘れても、あきらめないでください。還付申告は5年さかのぼって行えます。

金額を間違えた場合も、更正の請求や修正で対応できます。実際、相談で『去年申告し忘れた』という方は珍しくありません。気づいた時点で動けば取り戻せます。

シミュレーションでつまずきやすい落とし穴と現場の注意点

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試算した額と実際の還付が合わない――この相談、本当に多いです。原因はだいたい決まっています。

試算と実際の還付額がズレる主な原因

一番多いのは、納めた税金より控除額が大きく、引ききれずに頭打ちになるケース。年末残高×0.7%は『最大値』で、必ずその額が戻るわけではありません。

試算と実際がズレる主な原因
原因起きること
所得税・住民税が控除額より少ない控除しきれず満額戻らない
合計所得2,000万円超の年があるその年は控除を受けられない
床面積が登記上50㎡未満そもそも対象外
繰り上げ返済で残高が減った控除額も減る

性能や持分の決め方で数十万円変わる具体例

住宅の省エネ性能ひとつで、借入限度額は2,000万円から4,500万円まで変わります。控除額に直すと、年で数万円から十数万円の差。13年では数十万円規模です。

ペアローンの持分配分も同じで、収入バランスを無視すると一方が控除を取りこぼします。契約前に試算しておけば防げる損です。逆に言えば、ここを詰めるだけで結果が大きく動きます。

住宅ローン控除シミュレーションのよくある質問

相談の場でよく聞かれる質問を、短くまとめておきます。

住宅ローン控除シミュレーションのよくある質問

よくある質問

住宅ローン控除のシミュレーションとは結局どういうもの?
自分の借入額・年収・住宅の種類を入力して、毎年いくら税金が戻るかを試算するものです。控除額の目安は年末残高×0.7%ですが、納めた税金の額で頭打ちになる点まで反映できるツールを使うと、実際に近い数字が分かります。
シミュレーションに費用はかかる?
かかりません。金融機関や住宅情報サイトが公開している試算ツールはいずれも無料です。源泉徴収票と借入額が分かれば数分で目安が出ます。
どこから始めればいい?
借入額・住宅の種類・年収(または所得税額)の3つを手元に用意し、無料の試算ツールに入力するのが最短です。性能で借入限度額が変わるので、住宅の種類は正確に選んでください。

最後にひとつだけ。試算で出た数字を鵜呑みにせず、自分の納税額で本当に控除しきれるかを確かめてください。そこが、戻る額を最大化する一番の近道です。

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三宅 沙織

三宅 沙織

2級ファイナンシャル・プランニング技能士 ・ FP事務所勤務・住宅ローン相談業務5年
住宅ローン相談歴5年

FP事務所に勤務するファイナンシャルプランナーとして、住宅購入相談や確定申告サポートを年間100件以上担当。実際の申請手続きや税務署とのやり取りをもとに、初めての方でも迷わない情報を届けることを心がけています。

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