住宅ローン控除の上限額2024|住宅区分別の借入限度額と控除額を徹底解説

私はFP事務所で年間100件以上の住宅ローン・確定申告相談を受けてきました。実際の窓口で「うちの家はいくらまで対象なの?」という質問が一番多いので、この記事ではまず結論の数字を出し、自分の家がどの区分かを判断できるようにします。
この記事で分かること:2024年の住宅区分別の借入限度額、子育て世帯の上乗せ、実際にいくら戻るかの試算、そして初年度の確定申告から2年目以降の手続きまで。改正で『改悪』と言われる部分も正直に書きます。
住宅ローン控除とは?2024年の上限額をまず結論から

住宅ローン減税(正式には住宅借入金等特別控除)は、年末のローン残高の0.7%を所得税などから差し引ける制度です。2024年入居なら、住宅の性能で借入限度額が3,000万〜4,500万円に分かれます。
住宅ローン控除の仕組み(所得税・住民税から控除)
控除はまず所得税から引かれます。所得税で引ききれなかった分は、翌年の住民税からも一部控除される仕組みです。
つまり納めた税金が戻る(または減る)制度であって、ローン残高そのものが減るわけではありません。ここを勘違いする相談者が本当に多いです。
控除率0.7%と控除期間(新築13年・中古10年)
国土交通省と国税庁の資料では、控除率は年末残高等の0.7%、控除期間は最大13年と定められています。新築・買取再販は13年、中古(既存住宅)は10年が基本です。
以前は控除率1%だった時期もありますが、現行ルールは0.7%。ここは下がった部分なので、古い記事の1%という数字をそのまま信じないでください。
2024年の借入限度額を一覧で確認
| 住宅区分 | 借入限度額 |
|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 |
| その他の住宅 | 原則対象外 |
2024年(令和6年)の住宅区分別 借入限度額一覧
ここからは区分ごとに数字を確認します。自分の家がどれに当たるかは、住宅会社の性能証明書や建築確認の書類で分かります。

長期優良住宅・低炭素住宅は4500万円
最も控除枠が大きいのがこの区分で、借入限度額は4,500万円です。残高4,500万円なら0.7%で年31.5万円が控除上限の目安になります。
ZEH水準省エネ住宅は3500万円
ZEH水準省エネ住宅の2024年入居の借入限度額は3,500万円。2023年入居までは4,500万円だったので、ここは1,000万円下がっています。
省エネ基準適合住宅は3000万円
省エネ基準適合住宅は3,000万円です。こちらも2023年入居の4,000万円から1,000万円縮小しました。
その他の住宅は原則控除対象外になる点
省エネ性能を満たさない『その他の住宅』は、2024年以降に建築確認を受けた新築だと原則として控除を受けられません。これが2024年改正の一番大きな変更点です。
ただし経過措置があります。2023年12月31日以前に建築確認を受けたもの、または2024年6月30日以前に建築されたことを証明できる住宅は、借入限度額2,000万円・控除期間10年で控除を受けられます。
子育て世帯・若者夫婦世帯への2024年特例(上乗せ措置)
2024年は子育て世帯と若者夫婦世帯への上乗せが用意されました。同じ性能でも借入限度額が500万円増えるので、対象になるかどうかは大きいです。

対象となる世帯の条件
対象は、19歳未満の子を有する世帯(子育て世帯)、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯(若者夫婦世帯)です。年齢はその年の12月31日時点で判定されます。
区分ごとの上乗せ後の借入限度額
| 住宅区分 | 一般世帯 | 子育て・若者夫婦世帯 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 |
正直、ZEH水準なら一般世帯3,500万円が子育て世帯で4,500万円。1,000万円分の借入が控除対象に増えるので、該当する人は必ず確認してください。
中古住宅の借入限度額(2000万円・3000万円)
中古(既存住宅)は新築と枠が違います。一般的な中古住宅は借入限度額2,000万円・控除期間10年です。
長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準・省エネ基準適合に該当する中古なら3,000万円まで枠が広がります。中古でも性能証明があると有利になる、というのは見落とされがちな点です。
控除を受けるための適用要件と対象者

上限額の話の前に、そもそも控除を受けられる人かどうかの要件があります。所得や床面積で対象外になるケースは実際にあります。
合計所得金額2000万円以下などの共通要件
主な共通要件は、合計所得金額が2,000万円以下であること、取得後6か月以内に入居し引き続き住んでいること、ローンの返済期間が10年以上であることです。
以前は所得3,000万円以下でしたが、2022年改正で2,000万円以下に引き下げられました。高所得の方は特に注意してください。
床面積要件と40㎡以上の特例
床面積は原則50㎡以上が必要です。ただし2024年入居の新築で合計所得金額1,000万円以下なら、40㎡以上50㎡未満でも対象になる特例があります。
単身やコンパクトな住戸を検討している人にはありがたい特例。所得制限がつく点だけ覚えておいてください。
省エネ基準適合義務化と必要書類
2024年以降の新築は省エネ性能の証明が控除の前提になりました。長期優良住宅認定通知書や住宅省エネルギー性能証明書などで性能を証明します。
この書類は住宅会社が用意することが多いですが、引き渡し前に『控除に使う性能証明はどれですか』と必ず確認しておくと、確定申告でつまずきません。
控除を受けられない・適用除外となるケース
合計所得2,000万円超の年は、その年だけ控除が受けられません。返済期間10年未満のローンや、生計を一にする親族からの借入も対象外です。
そして2024年新築の『その他の住宅』(経過措置に当たらないもの)は原則対象外。ここは購入前に性能区分を確認しないと、後から取り返せません。
実際にいくら戻る?年収・所得別の控除額シミュレーション
よく聞かれるのが『結局いくら戻るの?』です。控除額は残高×0.7%が上限ですが、納めた税金以上には戻らないので、年収によって実際の戻り額は変わります。

年収別の控除上限額の具体例
| 年末ローン残高 | 年間の控除額(上限の目安) |
|---|---|
| 2,000万円 | 14万円 |
| 3,000万円 | 21万円 |
| 3,500万円 | 24.5万円 |
| 4,500万円 | 31.5万円 |
ここで大事なのは、この金額がそのまま戻るとは限らないこと。納めた所得税が少なければ、控除しきれない分が出ます。
住民税からの控除上限(課税総所得の5%・最大9.75万円)
所得税から引ききれなかった分は住民税から控除されます。ただし上限があり、課税総所得金額等の5%、最大9.75万円までです。
残高4,500万円で控除枠31.5万円あっても、所得税+住民税の納税額がそれに届かなければフルには使えません。借入を増やせば必ず得、ではないのです。
ペアローン・連帯債務の各人の控除額計算
夫婦でペアローンを組むと、それぞれが自分の借入残高に対して0.7%の控除を受けられます。借入限度額もそれぞれに適用されます。
共働きで二人とも所得税をしっかり納めているなら、ペアローンは控除を使い切りやすい組み方。逆に片方の収入が少ないと、その人の枠は余りがちです。
申告と手続きの進め方(初年度と2年目以降の違い)
控除は自動では始まりません。初年度は必ず確定申告が必要で、2年目以降は会社員なら年末調整で完結します。ここを知らずに1年目を逃す人がいます。

初年度の確定申告の方法と提出書類
入居した翌年の確定申告で手続きします。確定申告書に住宅借入金等特別控除額の計算明細書を添えて提出します。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って金額を入れるだけで計算明細書まで作れます。私が相談で勧めるのもこの方法です。
2年目以降の年末調整での手続き
会社員は2年目以降、年末調整で控除できます。税務署から送られる『年末調整のための控除証明書』と、金融機関の年末残高証明書を勤務先に出すだけです。
自営業の方は毎年確定申告で続けます。書類さえ揃えば2年目以降の負担は軽い、というのが正直な実感です。
登記事項証明書など共通の必要書類
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 作成コーナー等で作成 |
| 年末残高証明書 | 借入先の金融機関 |
| 登記事項証明書 | 法務局 |
| 売買契約書・工事請負契約書の写し | 契約時の控え |
| 性能証明書(区分に応じ) | 住宅会社等 |
登記事項証明書は法務局で取得します。マイナンバーカードがあればオンライン請求も可能で、窓口より手数料が安く済みます。
知らないと損する2024年改正の注意点と他制度との関係

2024年改正は枠の縮小が中心で、『改悪』と言われるのも事実です。ただ全員が損するわけではなく、世帯や住宅性能で結論は変わります。
2024年の『改悪』ポイントと過去との比較
| 住宅区分 | 2023年入居 | 2024年入居 |
|---|---|---|
| 長期優良・低炭素 | 5,000万円 | 4,500万円 |
| ZEH水準 | 4,500万円 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合 | 4,000万円 | 3,000万円 |
| その他の住宅 | 3,000万円 | 原則対象外 |
見ての通り、どの区分も枠が減っています。特にその他の住宅が原則対象外になったのは大きい。性能を満たさない家を急いで買う前に、経過措置の対象かを必ず確かめてください。
ふるさと納税・iDeCo併用時の影響
住宅ローン控除を所得税で使い切れず住民税に回している場合、ふるさと納税の控除と枠を取り合うことがあります。両方フルに使えると思い込むと、想定より戻らないことがあります。
iDeCoは掛金が所得控除になり課税所得を下げます。結果として住宅ローン控除で引ける税額自体が減り、控除枠を使い切れなくなる年も出てきます。
私の相談でも、ふるさと納税を多めにした年に住宅ローン控除が一部余ってしまった例がありました。併用する年は控除の順番と上限を一度シミュレーションしておくと安心です。
繰り上げ返済・住み替え・転勤時の控除の扱い
繰り上げ返済で返済期間が当初から通算10年未満になると、その後は控除を受けられなくなります。年数を縮める繰り上げ返済は要注意です。
転勤で一時的に家族と離れて単身赴任する場合、一定の条件を満たせば控除を継続できることがあります。家族が住み続けているかどうかが分かれ目です。
自分が住まなくなり賃貸に出すと、その期間は控除が止まります。住み替えや転勤の予定がある人は、控除を失うタイミングを先に把握しておきましょう。
住宅ローン控除 上限額 2024に関するよくある質問
窓口でよく受ける質問を、2024年のルールに沿って短くまとめました。

よくある質問
最後に一言。2024年は枠が縮小したものの、子育て世帯や高性能住宅ならまだ十分に大きな制度です。まずは自分の家の性能区分と世帯条件を確認し、初年度の確定申告を逃さないことから始めてください。
